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日本と日本人が大好きだった

M 「当たり前にあるはずのものが、突然なくなった。安全だと信頼していたものを、にわかに信じられなくなった。あの朝、『行ってらっしゃい』 と送り出した家族が帰らない。戦後65年間で最大の国難をもたらした東日本大震災。われわれは戦後、65年かけて、きらびやかで便利な文明社会を築いてきた。だが、そうした文明というものが何だったのか?!どうだったのか?!日本はこれから3年、5年かけて考えていくことになるのではないだろうか?!それと人類史上経験したことのない原発事故。この収束とあらたな代替エネルギーの模索は大きなチャレンジになるだろうね。でも、あの終戦後の世界に例を見ない奇跡の復興を成し遂げた大和民族。不死鳥の如き不屈の精神を持った我が同胞達。僕は、この国難と大惨事を機に日本は、我が祖国はよりよい国に生まれわっていくだろうことを確信して止まないよ!」

J  「私の愛する日本と日本人。是非ともそうなって欲しいわ。」

M 「今回の原発事故でフクシマはもうチェルノブイリと同列いやそれ以上に有名になってしまったね。不名誉なことだけど。でもこの大事故を契機に世界的に反原発、脱原発の流れが加速してきたよう感じ。スイスはもとよりドイツ、台湾も廃炉宣言。イタリアも国民投票で二度と原発を作らないと決めたね。やはり、人類は事故の対応方法も解らずまた使用済み燃料の始末さへ出来ないものを作ってはならなかったんだろうか?!」

J  「この華美で豊かで便利な社会に毒されると、もう昔のみすぼらしく不便な生活には戻りたくないわ。人間生活のレベルを上げていくことはそんなに難しいことではないけど、下げていくことは至難の技と思うんだけど。特にアメリカは世界のエネルギーの3割以上を消費している国だから、原発なしでの生活は考えられない、と言うのが一般論ね。」

M 「僕は日本で生まれ育ったからチョッと違うんだな。戦後何もない時代に生まれ育った日本の僕達の年代にとっては『電気は贅沢な生活の象徴』 だった。僕達はそれがなくても生活してきたし、またその当時の方が、精神的には楽しく心の豊かさを感じることが多くあった。だから僕はそういった時代への逆戻りを厭うものではなく、いやそうなっていけばなあと思う。その方が例え豊かで便利な生活を享受出来ないとしても、常に原発の放射能リスクで将来の健康や子や孫達の未来を憂いて生活するよりも遥かに精神的安寧を得られ平和で幸せな毎日を送れると思うんだけど。」

J  「じゃいずれ日本は原発なしでもやっていけると言うの?」

M 「原発なしでやっていける社会の実現は可能と思うよ。勿論今すぐ全原発を止めるということでなく計画的に廃炉にしていく、一方では代替エネルギーの開発が急務だね。色々な見方があるけど推進派は原発を廃止したら今までのような豊かな生活や経済成長が維持できないし、その為の計画停電一つとっても国中がパニクッてしまう。そんなこと出来るわけがない!これが彼らの言い分であり、全て原発の利権に群がる原発マフィア(政府、官僚、企業、学者、マスコミ等)に国民が誘導されてきたのが今までの構図だったんだ。」

J  「国際社会で見ると経済力が強い国程原発が多いのね。」

M 「しかし今回のフクシマ原発事故を境に国のエネルギー政策は大きく見直されるし、またそうであらねばならないと思う。例えば日本の例で言うと自販機だけをみても日本は異常なんだ。街のほとんどの四つ角、極めつけは田舎の農道にまで自販機を置いている、こんな気違いじみた国は日本くらいしかないよ。」

J  「日本ももうナンバーワンを追っかけるのでじゃなく小さくともキラリと光る国を目指していけばいいと思うよ。スーエデンやオランダには原発はないけどしかしとても豊かな生活をしている。彼らのGDPは大きくないからそれが可能なんだよね。」

M 「ウン、中々目の付け所がいいね。日本の今のGDPの規模や競争力を保つためには大量の電力が必要なんだ、と言うのが推進派の論法なんだ。しかし、次のような事実を検証するとそれらは全くの詭弁ではないかと思うんだよ。例えば原発廃止を打ち立てたドイツなどは日本と同じくらいかそれ以上の車や機械の国内生産量なんだ。アメリカはもうエネルギー使い過ぎ、だから参考にはならないけどいずれこちらもエネルギー政策の転換を迫られることは間違いないだろうね。特にフクシマの放射性物質垂れ流しの問題がより広範にしかも長期的に続いたら、いくら文明に毒されたアメリカ人と言えども黙っちゃいないと思うよ。」

J  「チョッと暇にまかせて調べてみたんだけど、例えば日本にあって欧米に無い電気に関るものについて。

01)  自動販売機、例えば真夏に冷蔵庫を外に置いているようなもの。電力食いますね。
02)  パチンコ屋、こんな非生産的な娯楽と言うか実質ギャンブルにうつつを抜かしているのは
日本だけです。
03)  都会の派手なネオン看板、動くネオンは日本及び東南アジアだけ、あれも電力食います。
全国津々浦々の飲み屋街のネオンの量も凄いわ。
04)  高速道路の照明、料金所等必要なところだけで十分な筈。ドイツのアウトバーンは真っ暗
です。でも事故の多さは日本とあまり変わらないのではないでしょうか?!
05)  保温する電気炊飯器や湯沸し機など。もう便利さに毒されていますよね。
06)  24時間開いているコンビニ。夜中に何人のお客が来るの?
07)  カトリックの国などは、祝日や日曜は店は休みよ。
08)  大規模な地下街、明るすぎる駅。あんなの日本だけ。
09)  勿論野球などのナイター。何故昼も試合やらないの?
10)  新幹線、特定時刻特定車両を除けば後はガラガラ。もっと間引きしても問題なしと思うけど。
11)  官民一緒になってのサービス残業の廃止。欧米では夜遅くまで働いている会社人間は
ほんの一部。
12)  夏時間を何故積極的に導入しないの?
13)  それからトイレのセンサーなんかも電気食うのよ。

こんな感じで節電したら原発なんかいらなくなるわよ。原発なしだと社会が立ち行かなくなると脅かされるんだけど、少々の辛抱と若干のライフスタイルのチェンジで可能になると思うよ。そんなのは全くの原発推進論者の幻想としか私には思えないんだけどね。

M 「いやあ、参った参った。いつの間にかそんなに日本事情が詳しくなったの?」

J  「見くびらないで下さいね。私、日本及び日本人と付き合ってもう35年よ。」

やはり女房は私の最高のパートナーだった。今は一方通行の会話しか出来ないから若干物足りなさを感じることはあるけれど、彼女だったらどうするか、どう言うかの答えはほぼ100%分かるから
時にこんな会話形式も楽しいものである。

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