1. TOP
  2. 03)カウボーイ時代
  3. カウボーイに憧れて

カウボーイに憧れて

アメリカ人が一度は憧れる職業の一つにカウボーイがあり、特に男性の多くは幼少時代“カウボーイになりたい”という夢を描く。彼らにとってカウボーイとは大いなる西部開拓時代の象徴であり、ロマンチシズムとノスタルジアを思い起こさせる存在だからなのだろう。それではカウボーイに憧れるアメリカ人達はどうするのか?カウボーイごっこをするのである。成功したアメリカ人は多くが自分の牧場を持とうとする。それも地平線までも見える気も遠くなるような広大な私有地を取得するのである。

歴代の大統領やハリウッドスター、そして有名な実業家など自分の牧場を持っている人は多い。勿論普段の管理は人にまかせ、休暇になると馬に乗って牛を追っかけたり、鉄砲を撃ったりしてカウボーイ気分を味わいにいくのである。でもそれはいわゆる金持ちの話である。実際のカウボーイは3K(きつい、汚い、危険)職業の代表であることもよく知られていて本当にカウボーイを職業として選択する人は今の時代少なくなってきてる。日本語の3Kは英語で言うとさしずめ3D(DIRTY,DANGEROUS,DIFFICULT)となろう。でも、ところがである。

中学生の頃、初めて我が家に白黒テレビがやってきた。例のチャンネルを回す時にガチャガチャ音を立る奴である。嬉しくて学校から帰ると毎日のようにテレビをつけて西部劇を観た。果てしなく広い荒野で馬を駈けるジョンウエインの格好いい姿に釘付けになった。“いつか俺も彼のようなカウボーイになりたい”人が幼い頃描くロマンとはそんな単純なものなのであろう。でもそれが私の人生の全ての始まりだった。

日本で大学を卒業後、働きながら資金を貯めて27歳で渡米、少年の頃からの夢だったカウボーイになる為だ。大手建設会社に勤務、将来へのレールが敷かれつつあったので会社や両親の説得には苦労した。しかし「見聞を広めたら2-3ヶ月で帰国る。」とまず第一の嘘。心は最初からアメリカに骨を埋めるつもりだった。以後両親にはどれ程の嘘をついたか分からない。後日談になるが、「殺しと盗みさえしてくれなければ、まだ嘘をつかれたほうがはるかにましだ。」とは彼らの弁。子が子なら親も親である。

「 もう何を言っても聞かんだろうが、親の最後の頼みとして青い眼の嫁さんだけは連れて帰って来るな、これだけは約束してくれ」 「 そんなことは言われんでもよう分っている。。日本人は日本人の嫁さんでなきゃ。」と言っていたのにまた大嘘をついた。理屈と膏薬はどこにでも付くが如く、俺の嫁さんはアメリカ人だけど眼は茶色だと言ってこれまた押し切ってしまった。まあ極道息子の部類ではある。(我が愛知県の大いなる田舎では、先生と医者と警察の息子にろくな奴はいないというのが定説。ちなみに私の父親は中学校の校長だった。)

123905980870016130717_COWBOY-STORY