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人間到処有青山

「人間到るところに青山あり」の大意は?男子が志を立てて故郷を出るならば、学問が成就しないうちは死んでも還らないぞ。骨を埋めるのは故郷の墓地だけではない。この人の世、どこにでも墓となる場所はあると言う強い決意を述べたもの、の様である。渡米してから44年目となった。人生の3分の2近くをこの大陸で過ごしてきた自分は、もう何のわだかまりもなく言えるようになった。「祖国は日本、骨埋めるに悔いなしはアメリカ」

人生色々。100人集まれば100通りの夫々異なった人生のドラマがある。私の人生もそのうちの一つ。しかし私は生まれつき天邪鬼的なところがあったから他人とはチョッと違った履歴書を書きたいなと思って来た。どうせ一度きりの人生、途中で道草を食ったり脱線したりしたのも悪くはなかったな、と今はそう思えるようになった。

己の齢を考えると今は世に言う前期から後期高齢者への仲間入りの時期かも知れない。午後三時の人生か?!既に下り坂に入っていることは間違いない。故に悔いのない下山方法を考えている。そして途中途中の景色景色を楽しみながら急ぐことなくゆっくりと人生の坂道を降りて行きたいと思っている。ただひたすらに自らの山の頂きを目指しわき目もふらず一心不乱に登って来た。だから周囲の景色など目に入らなかった。でも下山を始めた時ほぼ全方位で見える素晴らしい景観にでくわしたのである。今まで歩んで来た人生、これから歩まんとする人生。来し方を想い行く末を見据えるに最高の時とところだと思っている。

いつかは分からないがやがて麓に辿り着く。自分が登り、そして降りて来たその山を振り返る時、例えその山が他の峰々より低かったとしても、自分なりの山を征服し人生やるべきことをやったと言う達成感が感じられれば望外の幸せと言う他ない。まさに人生意気に感ずである。